水素覇権争い欧中火花
世界の水素市場は2050年までに約73兆円規模に成長する見通しだ
主導権を握るため技術開発で欧州と中国が火花を散らしている
欧州
2050年までに水素インフラに約58兆円を投じる戦略を明らかにした
水電解槽の設備容量を30年までに40ギガワットに引き上げる
・蘭ロイヤルダッチシェル:製油所向けに水素製造を計画
・エアバス:水素燃料を動力源とした旅客機
・独製鋼ミタル:水素を使った製鉄法の実証プラントの開発
中国
CO2排出量を60年までに実質ゼロにする
・内モンゴル地域に太陽光と風力による巨大発電設備の建設
・中国石油化工(シノペック):すでに中国最大級の水素生産能力を保有だが追加投資、世界の主要プレーヤーへ
・中国は世界最大の水電解槽の製造国、人件費と原料安で低コストを実現
再生可能エネルギーの電力で電気分解して作る「グリーン水素」由来の
アンモニア生産施設の建設を計画中
水素市場のシェア争奪で国家間の争いが起こっている
各国が競ってプロジェクトに補助金を拠出している
いわば「水素戦争」である