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CASE革命 中西孝樹

CASE革命 中西孝樹 日本経済新聞出版社

目 次

序章 自動車産業を襲う「CASE革命」
1● 世界の潮流を変えたVWディーゼル不正
2● 次世代のクルマの覇権をめぐる三者の思惑
3● 立ち向かう日本の自動車産業戦略

第1章 「CASE革命」とは
1● 「CASE」戦略の発動
2● IoT化×知能化×電動化=CASE革命
3● 「CASE革命」によるクルマの未来図

第2章 破壊者
1● IT業界のインカー侵攻戦略
2● IT業界のアウトカー侵攻戦略
3● タブーを恐れない自動車メーカー
4● 中国・国家資本主義の野望

第3章 クルマの価値とモビリティ構造の変化
1● 2030年までの「CASE革命」のシナリオ
2● 保有から共有への変化と影響
3● 産業ピラミッドを襲うバリューチェーンの変革
4● カーディーラーは生き残れるか

第4章 コネクティッド
1● コネクティッドはすべての基盤となる
2● オープンかクローズか、それが問題だ
3● 日・米・欧の主力自動車メーカーの戦略

第5章 自動運転
1● 理解すべき2つのアプローチ
2● 異業種連合の世界
3●How Safe is Safe Enough? ―― 社会受容性の課題

第6章 シェアリング&サービス
1● シェアリングエコノミーが提供する価値
2● ライドシェア2・0の世界
3● 完全自動運転の主戦場はMaaS

第7章 電動化
1● VW不正で欧州の窮状が露呈
2● 環境問題の試練に立つ自動車産業
3● EVの普及予測―2030年で8%
4● 中国の新エネルギー車(NEV)戦略の真相
5● 野望と現実の狭間―EVのリスクシナリオ

第8章 「CASE革命」を支える「ものづくり革新」
1● ハードウェアの大波のあとを襲うソフトウェアの津波
2● 自動車産業の3つの課題
3● 電子プラットフォームから統合制御システムへ
4● サプライヤーには好機と危機の両面

第9章 2030年のモビリティ産業の覇者
1● 電動化の勝利者は誰なのか
2● 中国の自動車戦略とどう向き合うか
3● 2030年のモビリティ産業の覇権は誰の手にあるか
4● 日本企業が勝ち残るために

 

感想

今、社内でも社外でも100年に一度の危機だとか、CASE革命、Maas革命と騒ぎまくっているが、言っても世の中すぐには変わらない。徐々に、そして確実に、変わっては行くが言うほどすぐには変われない。だから今自動車産業に関わるエンジニアとして必要なことは、地に足をつけ、これからの製造業に必要なことを考え、それができる人材を育成することではないかと考えた。

 

これからの自動車メーカーに必要なことを中西氏はこう言っている。

開発プロセスの再構築、

②次世代アーキテクチャの構築、

③伝統的ビジネスでの収益性の確保

 

 確かになるほどな内容であるが、①②は、今に始まったことではなく10年以上前からちょいちょい言われてる。ただ意図する想いは違う。以前は、グローバル展開し作れば売れる時代である。これまでと同じ開発プロセスでは時間もリソーセスも足りない。標準化や同時設計といった仕事の仕方が大きく変わってきた。また増大する車種やプラットホームにより設計・生産効率がおち、こちらも標準化・モジュール化が進んだ。

 今回の話はまた違う意味合いだ。今、自動車メーカーは模索中だ。はっきりとした答えがまだ見つかってないのではないだろうか。まだ私の近くではそう感じる。そしてそれを考えろと言われる年代になった。

 

生産技術のエンジニアとして

 電動化により必要な技術がコンベユニットのそれとは大きく変わってきた。新しい人材の確保と同時に、従来技術エンジニアの頭の変換も必要だろう。時代と技術は日々変わっていくのだからそれについて行くものプロのエンジニアに必要なことですね。

 電動化の技術はまだまだ発展途上だ。コンベ並みの生産性・コストには程遠い。技術革新のニーズはたくさんある。お客さまに安くて安全なモビリティを早く提供できるように一日中考えていればよい。余計なことは考えてなくて結構。

 

 

以下参考 (引用)

https://www.aba-j.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/05/2019.05news_09_N0257kenshukai.pdf

・ただし、移行期は長期にわたり、かつ保有と共有 の双方の価値拡大が予想される。自動車産業はモ ノづくりとコトづくりの両面戦略が必要。

・MaaSのエコシステムを構築するには、移動を支 える高品質なMaaS車両と超効率的なメンテナン スが不可欠。IoT基板のみならず、モノづくりに は重要な競争領域が存在する。

・世界の環境規制は「欧州・中国型」と「米国型」 の2つのトレンドに分離していく公算だ。OEM は⑴米国型、⑵欧州型、⑶中国型の3つのアプロ ーチを検討しなければならない。